ダム水路主任技術者選任の方法
【選任届出】有資格者の選任
ダム水路主任技術者としては、主任技術者免状の交付を受けている者であって、当該事業場に勤務し、自家用電気工作物の工事、維持及び運用の保安監督のできる地位にある者を選任することが原則となっています。
当該事業場に常時勤務をしない者を選任する場合(受電電圧7,000V以下及び最大電力2,000kW未満に限る)や、系列会社の社員を選任する場合は、以下の表に従い添付書類が必要になります。
申請に必要な書類様式
- 主任技術者選任又は解任届出書
- 主任技術者免状の写し
- 社員であることを確認できる書類
- 執務に関する説明書
- 選任を必要とする理由書
選任者の内容と必要な添付書類
選任者の内容 | 免状の写し | 社員であることを確認できる書類 | 執務に関する説明書 | 選任を必要とする理由書 |
---|---|---|---|---|
当該事業場に勤務する者 | 要 | 要 | - | - |
同一会社の他の事業場に勤務する者 | 要 | 要 | 要 | - |
同系列の社員で当該事業場に勤務する者 | 要 | 要 | - | 要 |
同系列の会社の他の事業場に勤務する者 | 要 | 要 | 要 | 要 |
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同系列の会社(半数を超える役員派遣又は資本出資50%超えの関係会社)親子関係については、 会社法(平成十七年七月二十六日法律第八十六号)第二条第三号に規定する会社法施行規則(平成十八年二月七日法務省令第十二号)第三条 に基づき判断します。
会社法施行規則【e-GOV】【兼任承認】他の事業場の主任技術者に選任されている者の選任
選任しようとする事業場にダム水路主任技術者免状の交付を受けている者が不在の場合、次の条件に適合し、かつ、当該事業場に常時勤務する場合に限り、選任許可が可能です。選任しようとする事業場にダム水路主任技術者免状の交付を受けている者が不在の場合、次の条件に適合し、かつ、当該事業場に常時勤務する場合に限り、選任許可が可能です。
- 兼任させようとする者が常時勤務する事業場を設置するものが(イ)同一、(ロ)親子関係、(ハ)兄弟関係であること。
- 第1種または第2種ダム水路主任技術者免状の交付を受けていること。
- 同一水系又は近傍水系かつ、常時勤務する場所から2時間以内で到達できること。
- 発電設備の工事、維持及び運用のために必要な連絡体制が整備されていること。
ダム水路主任技術者の兼任承認に係る基準は、経済産業省ウェブサイトから「主任技術者制度の解釈及び運用」をご確認ください。
主任技術者制度の解釈及び運用【経済産業省[PDF:480KB]】申請に必要な書類様式
- 主任技術者兼任承認申請書
- 主任技術者免状の写し
- 社員であることを確認できる書類
- 執務に関する説明書
- 選任を必要とする理由書
【選任許可】有資格者以外の者の選任
選任しようとする事業場にダム水路主任技術者免状の交付を受けている者が不在の場合、次の条件に適合し、かつ、当該事業場に常時勤務する場合に限り、選任許可が可能です。
-
選任許可する事業場が、次のいずれかに該当すること
- 出力500kW未満の水力発電所の設置工事の事業場又は直接統括する事業場
- 出力500kW以上2,000kW以下の水力発電所(ダム高さ15m未満の水路式)の設置工事の事業場、又は直接統括する事業場
-
選任しようとする者が、次のいづれかに該当すること
-
出力100kW未満の水力発電所の設置工事の事業場又は直接統括する事業場
- 高等学校(これと同等以上の教育施設)において土木工学の課程を修めて卒業した者
- 技術士試験の第一次試験合格者(建設部門)
- 技術士試験の第二次試験合格者(建設部門、農業部門[農業土木]、総合技術監理部門[建設部門相当又は農業土木])
- 技術検定に係る土木施工管理の合格者
- ii.~iv.に掲げる者のほか、i.に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認められる者
- i.~iv.に掲げる者のほか、土木技術に関し相当の知識及び技能を有すると認められる者
- 出力100kW以上500kW未満の水力発電所の設置工事の事業場又は直接統括する事業場イ、i.~v.までに掲げる要件のいずれかに該当する者
- 出力500kW以上2,000kW以下の水力発電所(ダム高さ15m未満の水路式)の設置工事の事業場又は直接統括する事業場
-
出力100kW未満の水力発電所の設置工事の事業場又は直接統括する事業場
科目 | 範囲 | 時間 |
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水力発電設備の保安に関する法令 | 水力発電設備の安全規制の概要、ダム水路主任技術者制度の概要、電気関係報告規則について | 30分 |
水力発電の仕組み技術基準 | 水力発電の仕組み、発電用水力設備に関する技術基準を定める省令、発電用水力設備の技術基準の解釈について | 1時間30分 |
水文・気象 | 水文・気象と防災、水理学基礎 | 4時間 |
コンクリート構造物(ダム、導水路等) | 設計、解析(耐震設計を含む。)、ダム挙動の把握と漏水管理、点検、計測、診断 | 2時間 |
鋼構造物(水門、ゲート、水圧鉄管等) | 設計、解析(振動解析を含む。)、ゲート操作、バルブ操作、点検、計測、診断 | 2時間 |
水力発電所の設計、演習 | 水力設備の設計、設計演習 | 3時間 |
ダム水路主任技術者の保安監督業務 | 巡視・点検及び検査の方法、不良箇所の発見と処置、記録と経年監視、災害・事故の対応 | 1時間 |
現地実習 | 巡視・点検及び検査の方法、不良箇所の発見と処置、水力設備の計測、診断 | 3時間 |
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ダム水路主任技術者の兼任承認に係る基準は経済産業省ウェブサイトから「主任技術者制度の解釈及び運用」をご確認ください。また、ダム水路主任技術者の学歴はこちらを参照してください。
申請に必要な書類様式
- 主任技術者選任許可申請書
- 免状、卒業証明書、単位取得証明書等、資格を証明する書類の写し
- 社員であることを確認できる書類
- 選任を必要とする理由書
- 選任しようとする者の電気工作物の工事、維持及び運用の保安に関する知識及び技能に関する説明書
【選任委託】設置者の従業員でない者(常時勤務)の選任
業務委託会社等と委託契約を直接締結することにより、業務委託会社等の従業員(常時勤務)をダム水路主任技術者に選任することができます。
委託契約によるダム水路主任技術者の選任等は、次の各条件を満たす場合に限っています。
- 設置者との間で「設備の保守管理」に関する委託契約を直接締結していること。再委託は認められません。
- ダム水路主任技術者となる者が当該事業場に常時勤務(選任及び許可の場合)すること。主任技術者免状を所有している専任の主任技術者に限り要件を満足すれば、兼任が可能です。
- 委託契約において、イ、~ハ、に揚げる事項が全て約されていること。
- 設置者は、自家用電気工作物の工事、維持及び運用の保安を確保するにあたり、主任技術者として選任する者の意見を尊重すること。
- 自家用電気工作物の工事、維持及び運用に従事する者は、主任技術者として選任する者がその保安のためにする指示に従うこと。
- 主任技術者として選任する者は、自家用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督の職務を誠実に行うこと。